keyboard_arrow_right
柔らかい日射や涼しさとともに安らぎを提供するカーテン

柔らかい日射や涼しさとともに安らぎを提供するカーテン

戸建てやマンションの分け隔てなく我が国では住宅の開放部、特に窓には様々な布製のカーテンを這わせておしゃれを楽しむ習慣があります。暑い地域では強すぎる日射を抑制し、寒冷地では外部からの冷気の流入を抑えたりして熱の移動を抑える効果が一定量あります。一方で、昼間の明るい時間帯に暗室にしたり、外部からの雑音を防いだりあるいは大部屋の間仕切りや浴室の防水用として使う目的もあります。この場合には伸縮しながら使えるアコーディオンカーテンにしている箇所も多いようです。更に、都市部の住宅が密集していたりする地域では外部からのぞきこまれてプライバシーを侵害されることを防ぐために目隠し用にカーテンを利用することもあります。

このように様々な用途に使われるので、カーテンの材料としては天然繊維から化学繊維まで幅広く使われていて、生地も分厚い生地のものからレース状の薄い生地まで多用されていますが、室内の居住空間を楽しい雰囲気にしようとすれば、明るい色でいろいろな柄の生地が好まれることは当然でしょう。いくつかの利用目的を兼ねたカーテンを使うために二重カーテンにしている家庭も多いのです。以上記載してきたとおり、カーテンには空調設備の普及していなかった古来から熱の移動を抑える、いわば、一定の省エネルギー効果があったのです。しかしながら、1992年にリオデジャネイロで開催された地球サミットやCOP3の京都会議の頃から民生部門の省エネルギー化意識が徐々に高まってきて住宅の窓を二重窓にしたり、あるいはペアガラスの使用が徐々に広まってきたおかげで、窓に限定して省エネを考えればカーテンの持つ省エネ性は役目が殆どなくなったといえるでしょう。

従って、湿度の高い我が国の気候を考えると、窓を開放して生活する季節には室内の楽しい空間作りや柔らかくて涼しい風作りの方に力点が移動するのだと思います。最近目立っていることですが、民生部門の中でも公共建物や事務所ビルあるいは住宅で真夏の暑さを凌ぐ省エネ化のために窓の外側にゴーヤやアサガオのような植物のつるを這わせて緑のカーテンを作る工夫も各地で行われています。とりわけ、学校で緑のカーテン作りは空調設備を使わない省エネ努力意識とともに環境教育の両面の目的を持って行われているのだと思います。変わったカーテンとしては建物の出入り口の上部から低部へ吹き下ろしで空気の流れを送ることで建物の内外の温度差の混じり合いを防ぐエアカーテンが人の出入りの多い箇所に使われています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です